中日対巨人　9回戦　先発は中日小熊（0勝0敗）　巨人高木（5勝2敗）

昨日大野、一昨日吉見で連敗している中日としては、負けられない試合である。

このゲームのポイントは1回の攻防にあった。

1回表　先発の小熊は長野、立岡を簡単にアウトに取り幸先の良い立ち上がりかと思ったところ、亀井に四球を出した。2アウト1塁でバッター4番の坂本だ。

坂本には０－２と追い込み3球目もファウルの後の4球目に亀井に走られた。思ってもみなかった盗塁だ。2アウト2塁になりヒットが出れば間違いなく1点入りそうだ。

5球目インコース低めのシュートをレフトスタンドにもっていかれた。

1点どころか2点取られた。今シーズン得意の2アウトランナーなしからの失点だ。しかも四球絡みの。その後アンダーソンにもヒットを打たれ、怖い阿部を迎えたがここは何とか抑えた。

1回ウラ　先頭打者の大島がレフト線に2塁打を放つ。ノーアウト2塁、もっとも大量点が入るパターンだ。ここで1点でも取れればこのゲーム全く分からなくなるが、無得点で次の1点を巨人が取るとかなり苦しくなりそうだ。
そんなことは百も承知ですと言ったように、2番亀澤はランナーを進めようと右方向へ転がそうとしている、意図が十分伝わるバッティングだ。
そんな亀澤の気持ちを見透かしたかのように、相手バッテリーに 外角低めのカットボールで三振に打ち取られた。あまりにも右方向へという意識が裏目に出た形だ。
これが大島だったら、あまり深く考えずか考えてか知らないがボール気味の外角高めの球をレフト前に落とすか、あるいはショートフライを打ち上げていたことであろう。

ランナー釘付で１アウト２塁、バッターはこのところキャッチャーファウルフライのイメージが強い3番平田。外を４球続けられ１－２から内角のシュートを見逃し三振。ランナーもちろん釘付で２アウト２塁。

４番ルナは２球目のカットボールを力のないセカンドゴロで３アウトチェンジ。

２アウトランナーなしから２点取るチームとノーアウト２塁から無得点のチーム。
完全に勢いの差が出た。３回表、４回表にそれぞれ１点づつ取られ完全に巨人ペース。
７回ウラにようやくノーアウト満塁、バッター小笠原という場面であったが、ダブルプレーの間の１点と、大島のタイムリーによる１点の２点を取るのが精いっぱいだった。
取ったすぐ後の８回表に浅尾が失点し５対２　勝負あった。

ちょっと前までポイントゲッターであった平田、ナニータといったところが打てなくなってきた。ただし、９回ウラ周平のバッティングは粘りがあった。最後はポップフライに打ち取られたが、１５０キロのストレートとフォークを投げ分ける澤村にファウルで粘り１０球投げさせ、ボールに食らいつく姿勢が見えた。正直今まであまり見た記憶がなかった光景だ。　きっかけになりそうな打席だと感じた。

今回の巨人との３連戦終わってみれば見事に３連敗だ。
まあ、今回はこれくらいにしといてやろう。

中日対巨人　8回戦　先発は大野（5勝１敗）　杉内（4勝1敗）好調同士の両左腕投手の対戦となった。

3回まで大野ほぼ完璧の立ち上がり、一方杉内は1回2回とランナーを得点圏に背負うもナニータ、大島といった左バッターをどん詰まりの内野フライに打ち取る。
3回ウラ　先頭打者の荒木の打席三球三振、荒木の覇気のなさが気になる。この回後続も倒れ三者凡退。

4回表　巨人、2番寺内がファールを打った時に足を痛め片岡と交代。巨人としては昨日いい働きをした寺内だけに痛い離脱だ。この回も三者凡退に抑える。
4回ウラ　ナニータ三振の後、期待のかかる福田の打席、4球目のストレート打った瞬間いったーと思ったスゴイ当たりの大ファール。5階席まで飛んで行った。1打席目のヒットと言い杉内とは相性よさそうだ。結局福田四球のあと杉内抑え無得点。

5回表　三者凡退。大野ここまで出したランナーは四球の一人のみだ。
5回ウラ　三者凡退。杉内もしり上がりによくなってきた。
6回表　簡単に2アウトを取った後、この日初めてのヒットを長野に打たれる。2アウトランナー1塁で、途中から出てきた片岡。ちょっと嫌な感じはしたがセンターフライに打ち取った。

6回ウラ　3番平田からの好打順、何とかランナーを出して福田に回したいところだ。
ノースリーとなったところで四球濃厚化と思ったが、ワンスリーからの高目のボールをキャッチャーファウルフライに打ち取られる。
1アウトからルナのホームランが飛び出した。今日の大野の調子からいって大きな1点だ。次打者のナニータは動揺した杉内から初球をクリーンヒット。代走に藤井。谷繁今日の大野ならこの1点で逃げ切りたいと守りも考えた上の代走だ。だがちょっと嫌な気がした。サッカーでもリードしているときにフォワードを下げてディフェンスを厚くした途端に攻められ続け逆転されるケースがある。指揮官の守りきろうという姿勢がチーム全体を守りの意識にしてしまうのだろう。
期待のかかる福田は初球の変化球を打って併殺打に打ち取られる。

7回表　先頭の3番亀井がヒットで出塁、4番坂本は打ち取ったものの5番アンダーソンにライトへヒットを打たれる。1アウト1塁3塁、この日最大のピンチを招いた。
1塁ランナーは昨日守備でいいところを見せた橋本が代走で出てきた。
バッターは6番井端、嫌なバッターだが4球目をピッチャーゴロ。併殺でチェンジと思ったところ、大野は3塁ランナーを殺しにいった。狭殺プレーの間にランナーが進み2アウトながら2塁3塁、バッターは矢野だ。力勝負でファーストファールフライに打ち取った。打たれていれば井端のピッチャーゴロで併殺を取りにいかなかったことが悔やまれるだけによく打ち取った。

7回ウラ　7番8番9番と三者三振。

8回表　先頭の相川がヒットで出塁。ここで代走鈴木、大きなポイントになりそうだ。さらに左対左ながら代打阿部だ。本調子でないとはいえ嫌なバッターであることは間違いない。ボールに逆わらずレフト前にもっていかれた。ノーアウト1塁2塁だ。バッターは1番に返って長野、先ほどヒットを打たれている。フルカウントからの低めの変化球を見極められ四球。ノーアウト満塁だ。絶体絶命のピンチとはこういうことを言うのだろう。片岡内野安打で同点に追いつかれた。さらにノーアウト満塁から亀井はインフィールドフライに打ち取った。1アウト満塁だ。4番坂本は前進守備をあざ笑うかのようなセンターオーバーの2点タイムリー2塁打。1対3逆転された。さらに1アウト2塁3塁から橋本に犠牲フライを打たれ1対4だ。外一辺倒の配球では苦しい。松井雅、完全に逃げのリードだった。大野ノックアウトで祖父江にチェンジ。
2アウト2塁からバッター井端、四球で2アウト1塁2塁。いったいこの攻撃はいつ終わるのだろう。この回9人目のバッター矢野はショートライナーに倒れ長い攻撃がやっと終わった。

8回ウラ　ピッチャーは山口、1番からの好打順だが先頭の大島はレフトフライで1アウト。2番荒木はヒットで出塁。そうだまだあきらめるな、3番平田のところでピッチャーマシソンに代わり、平田はこの日3本目のキャッチャーファウルフライで2アウト1塁。先程ホームランのルナは三振でチェンジ。

9回表　この3連戦でキーマンの一人とみていた岡田がマウンドに上がった。先頭の鈴木を1球でフライアウトに取ったものの次の阿部には死球だ。次の長野は打ち取り2アウト1塁から片岡にも死球で2アウト1塁2塁。松井雅、どうせなら8回表に内角を攻めてほしかった。亀井はフルカウントから三振にとりチェンジ。さあ最後の意地を見せてくれ。

9回ウラ　抑えの澤村に三者凡退。　　…負けた。

結果的に所々でみえた、ルナのホームランの1点で逃げ切ろうという守りの姿勢が敗因のような気がする。

中日ｘ巨人　7回戦　先発は中日吉見（3勝0敗）巨人ポレダ（4勝1敗）
きょうは相手の先発が左投手であったが、谷繁珍しく亀澤、ナニータといった左打者を使ってきた。
ナニータはここのところ好調であり、亀澤もしっかり仕事をこなしているうえに荒木は先日の代打で出てきて送りバントができなかったことからも当然かもしれない。

このゲームまず最初のポイントは2回ウラ、ノーアウト満塁でエルナンデスの併殺打の間の1点の場面。中日側としてはノーアウト満塁なのでできれば最低でも2点くらい欲しいところ、ただし、エルナンデスが倒れると8番9番の打順で無得点という可能性もある。そういった意味では1点取れたことは満足ではないが、最低限納得のいく結果ではなかろうか。一方巨人側としては、もちろん無得点で抑えれば最高だが、1点で済めば想定の範囲内であろう。
ということで、この局面どちらにとっても、まあ仕方ないかといった、痛み分けのような結果かもしれない。

その後巨人が地味に1点づつ得点し2対1と逆転。
中日は7回ウラにエルナンデスのホームランで追いつく。

次のポイントは8回表巨人の攻撃、この回からピッチャー浅尾に代わったがいきなり先頭長野が内野安打、2番片岡送りバントで1アウト2塁バッター亀井。絶対に甘いところには投げないという感じで四球。1アウト1塁2塁。4番坂本は内野ゴロで2アウト1塁3塁。バッター左のアンダーソンのところでピッチャー左の聡文。昨日予想した通りの展開になってきた。坂本が盗塁し2アウトながら2塁3塁。ここで打たれるか抑えるか大きなポイントだ。ここは聡文がセカンドゴロに仕留め巨人の大きなチャンスを封じた。

こうなれば、普通は中日に流れが来る。8回ウラ先頭の大島ヒットで出塁し、2番亀澤が送りバントで1アウト2塁。きっちり形ができた。しかし3番平田ショートフライでランナー釘付。もっとも2アウトでランナーが大島なので2塁と3塁でそれほど大きな差はないが。4番ルナは敬遠で2アウト1塁2塁。バッターはナニータ、ここは相手が左投手でもスタメンに使ってもらった谷繁監督のためにも1本打ちたいところであったが、フライアウトとなった。両チームとも決め手に欠ける展開だ。

そして9回表、聡文がイニングまたぎでマウンドへ。今年の中日は中継ぎがイニングをまたいだときはあまり良い結果が出てないような気がする。案の定左の阿部にヒットを打たれる。代走に鈴木。嫌な流れだ。走られてバントで1アウト3塁という形をつくられるのが嫌だ。と思っていたら橋本に送りバント。正直ありがたいと思った。1アウト2塁でバッター寺内。フォークをとらえられヒットを打たれる。2塁ランナーの鈴木がホームをつけなかった。まだツキは残っている、しかし1アウト1塁3塁の大ピンチだ。ここでバッターは代打矢野。このまま聡文対矢野の勝負にするか、あるいは右投手に代えるか。ベンチの判断はピッチャー交代で田島。すかさず巨人は代打の代打で由伸。
途中1塁ランナーが2塁に進み2アウト2塁3塁の大ピンチ、3ボール1ストライクとなったところでてっきり歩かせるものだと思っていたら、ど真ん中にストレートを投げ勝ち越される。歩かせる手はなかったのかなあ。やっぱり押し出しが怖かったのだろう。
このあと長野にランエンドヒットで内野ゴロの間にもう1点追加。この1点は痛かった。特に内野ゴロで取られただけに精神的にもきつい。原監督見事な采配。敵ながらあっぱれである。

9回ウラ1アウトからエルナンデスがライトへヒットを打つも2塁をよくばりアウトとなった。2点差だけに1塁で止まっている手もあったが、この走塁は責められない、相手の橋本を誉めるべきであろう。という訳で攻撃ではエルナンデスが一人でかき回していた感があり、特にライト橋本にしてやられた感がある。守りでは左バッター対策が課題となった。やはり巨人相手には左ピッチャーの良し悪しがポイントになりそうだ。
明日は大野対杉内の両左腕投手の対決だ。

明日の予想　2対1　中日勝利　大野完投　勝利打点福田

今日の阪神対巨人をラジオで聴いていた。8回表を終わったところで1対0で巨人リード。8回裏先頭の福留を出塁させたところでそこまで完璧だった先発投手を代えて、山口、マシソンで逃げ切ろうとしたが2点取られ逆転を許した。

明日からの巨人との3連戦、付け入るスキがありそうだ。

びっくりしたのが9回表巨人の攻撃だ。ノーアウトから長野がヒットで出塁すると、代打堂上(三振) そのあと代打由伸(ヒット)、続いて代打阿部(一ゴロ)、最後は代打橋本(三振)

これだけ層の厚い左バッターの代打陣、見たことない。

きょうは相手チームの先発が左ということでこうなったようだ。右投手の場合は長野、相川に代わって堂上、阿部がスタメンで出るようだ。

亀井、アンダーソンといった左バッターは左右関係なくスタメンである。

明日からの3連戦この左バッター対策がポイントになりそうだ。

そこでカギを握る選手というと、ズバリ聡文と岡田の両左投手と予想する。

今までどちらかというと出番の少なかった2人だが、この2人の出来が勝敗を分けそうな気がしてならない。

中日対広島　8回戦　豊橋市民球場　先発は山井（2勝3敗）　大瀬良（1勝4敗）、ともにあまり勝ち運のない投手同士の対戦となった。

ちょうど去年の豊橋でのこの両チームの戦いは、地元出身の藤井のサヨナラホームランという、できすぎのシナリオであった。　当然2匹目のどじょうを狙いにいくと思い、はたして大島を外すのか、ナニータを外すのかと思っていたら、藤井まさかのベンチスタートであった。　谷繁、マジっか？　藤井は地元プラス今日が誕生日でヒーローになるにはこの上ない条件がそろっている。それをベンチに置くとは、谷繁、マジっか？

そのせいかどうか分からないが、5回を終えて5対0、広島の一方的なゲームになりつつあった。6回ウラ中日の攻撃、ノーアウトから平田、ルナの連続ヒットが出た。
この辺りからCBCラジオでは若狭アナウンサーが彦野を相手に、昨年この豊橋市民球場でロケを行ったドラマ　ルーズベルトゲームになぞらえて懸命に盛り上げようとする。
そんな気持ちを知ってか知らずかナニータフライを打ち上げランナー釘付けだ。

だから藤井を出しとけと言ったのに。この流れだと普通はゲッツーとかで無得点になりがちだが、幸いにもいい意味でそういう流れや空気が読めなさそうなエルナンデスが2点タイムリーヒットを放つ。5対2　ほんの少しだけ第32代合衆国大統領の面影が見え始めた。続く周平は空振り三振。今日の周平は超高性能ブレーキだ。2アウト2塁、この回はここまでかと思ったところに代打藤井！　地元の期待に見事応えタイムリーヒット5対3、このヒットが大きかった、これで分からなくなってきた。

2アウト1塁バッタ―杉山、いくらなんでもここで杉山に続けというのは虫が良すぎる、おいおい打っちまったよ、2アウトながら1塁2塁バッター大島。これが勝ち運のないピッチャーの怖いところだ。たまらずピッチャーザガースキーに交代するも、一度こういう流れになるとなかなか止めるのが難しい。ライトスタンドはお祭り騒ぎの体をなしてきた。大島この流れに乗ってタイムリーヒット　5対4　ルーズベルトの輪郭がハッキリ見え出した。さらに亀澤貴重な四球を選び2アウト満塁、バッターはこの回2度目の打席の平田、もう打つしかない局面だ。たまらずピッチャー交代で今村。 流れ的にはホームランが出そうなところであったが三球三振に打ち取られる。うーん残念、しかし流れは完全に中日ペース。
7回表ピッチャー浅尾が3人でぴしゃりと抑える。これも大きかった。

7 回ウラ、先頭のルナが出塁。完全に押せ押せだ。浅尾に代わって代打荒木。バントの構えからストライクを2つ見逃し最後は空振り三振。いったい何をしたかったのかサッパリ分からない。普通こういうことをすると次のバッターは併殺打などを打ったりするものだが、幸いにもいい意味でそういう流れや空気が読めなさそうなエルナンデスが2塁打を放つ。　

1アウト2塁3塁バッター周平。　今度こそは打つんじゃないかと思った私が甘いのか、打たない周平が悪いのか空振りの三振。2アウト2塁3塁バッター藤井。ここでホームランでも打てばかっこいいのだが世の中そんなに…甘かった。昨年に続き2匹目のどじょうゲット。打たれても敗戦投手にならない昨年の山井まで戻ってきた。
7対5の大逆転、CBC若狭アナウンサーも自分が言いだしたルーズベルトゲームのシナリオのようなゲーム展開に大興奮だ。

8回表このところ好調の田島が今日大当たりのシアーホルツにホームランを打たれ7対6の1点差に詰め寄られる。　今までは先発投手の勝ちを消してはいけないというプレシャーだったが、今日は地元で誕生日の藤井の殊勲打を消してはいけないという変なプレッシャーがかかっていそうだ。田島その後2アウト2塁3塁というピンチを迎えるも何とか抑え切った。

8回ウラ、藤井のヒーローインタビューを実現させるためにもう1点欲しいところ、先頭打者の大島ヒットで出塁。亀澤きっちり送り1アウト2塁。3番平田はフライアウトで2アウト2塁。4番ルナは四球で2アウト1塁2塁。ここで代打小笠原、藤井より目立たぬよう控えめに貴重なタイムリーを放ち8対6、ルーズベルトの笑顔が垣間見えた。この試合もらった。　

さらに2アウト1塁2塁からいい意味でも悪い意味でも流れや空気が読めなさそうなエルナンデスがスリーランホームランを放つ。おいおい藤井より目立たなくてもいいから。1塁ランナー小笠原に代走を送らなかったのは、まさか歩いてホームインできるこのホームランを予測していたのか、恐るべし谷繁。　たぶん実際は代走を出しても最終回にピッチャーに代わることになり、ここで1枚使うのはもったいないのでそのまま小笠原にしていたことであろう。

最終回は点差があろうと予定通り福谷が投げてゲームセット。　…勝った。
終わってみれば11対6、若狭アナウンサーも言っていたがまさしく地元で今日誕生日の藤井による、藤井のためのゲームだった。
ルーズベルトもリンカーンもびっくりだ。