がむしゃら流。

きょうは先発が吉見対小川ということで僅差の接戦が予想されましたが終わってみれば14安打9得点、相手を散発5安打1失点に抑えての快勝でした。
それでは試合を振り返っていきましょう。



まずは初回いきなり大島がセンター前ヒット。ノーアウト1塁です。私としては初回に1番バッターが出塁するということは、それだけでその試合の半分くらいの仕事をしたという評価です。それくらい初回の1番バッターの結果を重要視しています。

2番亀澤の打席、初球に大島が走った!!! いいじゃないか! 今まであまり見たことがなかった積極的な攻撃です。 いつものように送りバントや右方向への進塁打もいいが、アウトになれば何を言われるか分からないノーアウトからのスチール。
いいぞ谷繁!チームを元気にするにはまず走ることだ。アウトになってもいいじゃないか、こういったがむしゃらなところが今の中日には必要だ。幸いにも結果盗塁成功でノーアウト2塁。一気に得点チャンスが膨らんだ。 ここはバントでノーアウト3塁の形を作りたいところだが亀澤バント失敗だ。さあどうする? 4球目のカットボールを引っ張って1アウト3塁。よくバント失敗のミスを取り返した。さあ今1番当たっている平田に回ってきた。ここは外野フライで1点取りたいところ。 …だが、ストレートをつづけた後の5球目のフォークボールに空振りの三振。
仕方ない、今の平田が打てなきゃ誰も打てない。ここは相手を誉めるべき。最近変調のルナには期待できずチェンジ。 無得点に終わったが形はできている。悪くない。



1回裏ヤクルトの攻撃を吉見が無得点に抑えた、やはり安定感抜群だ。

2回表は先頭の5番ナニータがヒット。1回に続いてノーアウト1塁の場面、今度はどうする? エルナンデスがセーフティーバント。1アウト2塁だ、悪くないぞ、ナイスアイデアだ、形はできている。点が入りそうな流れだ、周平頼むぞ。セカンドゴロで2アウト3塁だ。アウトになったが今までと何か違う、そうだランナーが釘づけになっていない。ただでアウトになっていない。
松井雅にヒットを期待するのは無理かと思いきや、おいおい打っちまったよ。意外な形で先制点が入った。吉見まで打順が回って、次の回は1番からの好打順だ。



2回裏も吉見、何とか無得点に抑え、3回表の攻撃は、打順よく1番大島からだ。期待に応えてレフトへのスリーベース。最高の形だ、ホームランより大量点が入りやすい形だ。2番亀澤、さあどうやって点をもぎ取る? 犠牲フライを放った!いいのかこんな簡単に点が入って。3番平田ライト前ヒット、おっとまだまだ1アウトからの2次攻撃だ。変調ルナは賢く四球を選び(不調のルナに四球とは今日の小川も変調だ)1アウト1塁2塁から当たっているナニータにタイムリーが飛び出した。3対0でなおも1アウト1塁2塁のチャンスだ。 エルナンデスはファールフライでランナー釘づけだ。できれば2アウトでも2塁3塁にしてほしかった。7番周平タイムリーツーベースで4対0、なおも2アウトながら2塁3塁のチャンス、ここは松井雅が歩かされ吉見がアウト。しかし次の回もまた1番からだ。悪くない流れだ。



3回裏吉見が3者凡退で打ち取る。いい流れだ。4回表大島がまたノーアウトからヒットで出塁した、大当たりだ。ここはセオリー通り亀澤がきっちり1球でバントを決めた。いいぞ、綺麗な形の野球ができている。1アウト2塁から3番平田、今1番期待できるバッターだ。 だがワンバウンドのフォークに空振り三振だ。仕方ない今の平田が打てなきゃ誰も打てない。 おや、気のせいか?最近どこかで聞いたことあるフレーズだぞ。不調ルナでチェンジかと思いきや相手エラーが飛び出し1点追加で5対0。相手が勝手にこけていく、勝つ流れだ。


5回表は1アウトから周平がヒットで出塁し、1アウト1塁バッター松井雅の場面、3ボール2ストライクから周平に走らせた。結果は見逃し三振、盗塁失敗のダブルプレー。次の回はピッチャーの打順からとなった。結果だけ見ると采配ミスと言えそうだが私は良い作戦だと思った。1回目の打席でタイムリーを打ったとはいえ、1割バッターである。こういう当たっていないバッターにはエンドランをかけてやると、迷いなくバットを振ることができるのでバッターにとってもありがたい。しかし、まさか見逃すとは…。こういうケースで走らせたためにボール球を振ることはありがちだが…見逃すとは…。せっかくの谷繁の親心、子知らずと言ったところか。こんなことなら2-2のカウントで走らせればよかった。それならボール球でも振るだろう。
今の中日にはこのようにがむしゃらにプレーすることが大事だ。



色々あって、8回裏6対1から又吉の登板だ。点差は関係ない、先日の嫌な出来事がどうしても頭をよぎってしまうが簡単に3者凡退で打ち取った。9回表は藤井の3塁打等で3点追加。いいぞ何点あっても邪魔じゃない。
9回裏9対1から福谷登板。思い切っていってやれ。満塁ホームラン2本打たれてもまだ同点だ。代打森岡を5球すべてストレートで空振り三振1アウト,あと2人。 次の田中にも2球ともストレートで内野ゴロに打ち取った、あと1人。 ここからだ、山田にも4球ストレートで2-2となったところで初めて変化球のスライダー。雅、ここは小細工はいらない、打たれてもいい、みえみえのストレート勝負だ、6球目ストレートをファウル、7球目ストレートをセカンドフライ、 スリーアウト。 勝った…。



たかが1勝だがとても大きな1勝に思える。
又吉、福谷、谷繁、本当に乗り越えたかどうかは分からない。
だけど、がむしゃらさは伝わった。3人にこの言葉を贈ろう。
「大変良くできました。」









がんばれ浅尾、頼むぞ吉見、勇気を持て谷繁。

5月8日浅尾がウエスタンリーグのソフトバンク戦で登板したそうです。
3回5安打2失点という内容で「長いイニングを投げられたことは収穫。打たれたのは高い球だったし、反省するところは反省して、次も機会があればやりたい」とコメントを残しました。本人はロングリリーフを視野に入れての調整登板だったようです。


肩やひじの具合がどの程度かよく分かりませんが、人気選手だけにどのような形であろうとまたファンの前にその雄姿を見せていただきたいものです。


さて、土曜日のヤクルト戦はその浅尾と同学年の吉見が先発です。相手はライアン小川、ともに安定感抜群だけに投手戦が予想されます。
ただ中日としては、リリーフ陣に不安を残しているだけに、接戦に持ち込まれると苦しいかもしれません。欲を言えば序盤に大量点を取って楽な展開に持ち込みたいところです。(あまりに当たり前すぎて書くのが恥ずかしいくらいですが)



あともう一つ見どころとしては、どんな展開になるか分かりませんが谷繁の選手起用、采配にも注目したいところです。どんな采配であろうと結果が良ければ名采配と言われることもあるし、裏目に出れば采配ミスと言われます。
バッターにもよりますが、ノーアウト1塁2塁でバントさせれば成功しようが、失敗しようが采配ミスと言われることはないでしょう。
ここで打たせて併殺になれば采配ミスだと言われるし、ヒットが出れば采配ミスという人はいないでしょう。 同じ采配でも結果によって評価が変わります。
谷繁には、勇気をもって采配を振ってほしい。

荒療治。

昨日は悪夢のようなゲームでした。
幸いにも今日明日と2日間ゲームがなく、土曜日、日曜日と地方球場の秋田でヤクルトとの2連戦です。多少環境も変わり首脳陣、選手にとってはちょうど良い気分転換になるでしょう。



などと、のんきなことを言っている場合ではないです。
今こそチャンスです。選手たちが大きくステップアップするまたとない大チャンスです。
私が監督ならちょっと手荒い手法をとります。


1(中) 藤井
2(二) 亀澤
3(三) 周平
4(右) 平田
5(一) 福田
6(左) ナニータ
7(遊) エルナンデス
8(補) 松井雅
9(投)



選手にはテーマを持って試合に臨んでもらいます。
藤井、亀澤は塁に出たらとにかく走ってもらいます。アウトになろうが、ライナーで併殺になろうが構いません。
特に藤井には守備での超ファインプレーか超ボーンヘッドをやらかしてもらいたいです。



周平と福田は全打席おもいっきり自分のスイングをして4打席空振りの三振をしてもらいます。もしかしたら、いい当たりの外野フライになったり、ヒットになってしまうかもしれませんが、それは仕方ないとして、当てに行ったり、ハーフスイングは罰金です。 周平は守備ではボールをとったら1塁へ全力で投げてもらいます。暴投になっても構いません。


平田、ナニータ、エルナンデスは好きなように気持ちよく打ってもらいます。
松井雅にはランナーがいればエンドランのサインを出してやります。外されてランナーがアウトになろうがボール球を振って三振になろうが構いません。



そしてどんな試合展開だろうが、どれだけの点差で勝っていようが負けていようが、7回裏は又吉、8回裏は福谷に何点取られようが3つアウトを取るまで投げさせます。(負けゲームを想定しているので9回裏はない計算です)
唯一例外としてピッチャーが山井でそこまでパーフェクトかノーヒットノーランを続けていたら続投させます。



これは捨て試合ではなく投資です。若い選手たちにこの先どんな厳しい場面が訪れようと恐れずに立ち向かっていくことができるようになるための投資です。
このゲームで悪い膿を全部出してもらいます。

若い選手たちに言いたい。エラーしようが、人の勝ち星を消そうが気にするな。
何回三振しようが、何点取られようが、命まで取られることはない。
一度くらい結果を気にせず バカみたいにおもいっきりプレーしてみろ。
そして、見事4打席とも空振りの三振ができた暁にはこう言ってやれ。
「今日のところは、これくらいにしといてやろう!」

誰もが予想した試合展開。

野球は2アウトからと昔の人は言いました。

まさか2日続けて同じフレーズを書く羽目になるとは思いませんでした。

9回裏簡単に2アウトを取った場面では、やっとバルデス初勝利かと中日ファンなら誰しも思ったことでしょう。しかしゴメスにヒットが出てなんとなく嫌な感じがしたのは私だけではないかと思います。

バッターは左の福留でしたが、ここでピッチャーが福谷に代わりました。おそらく中日ファンの半数はこのままバルデスでいった方がええんちゃうか?と思ったことでしょう。

そんな中日ファンの期待通りに?福留に四球、さらにパスボールの大サービスで2アウトながら一打逆転サヨナラの場面です。結局マートン四球で2アウト満塁。

ここで代打関本に対してピッチャー又吉。ドタバタドタバタという音が聞こえてきそうです。

案の定、関本に押し出し四球。もうここで勝負ありです。次のバッターは先程ホームランを打って乗っている新井良太です。せっかく0-2と追い込んだのですが、四球が怖くてストライクゾーンに投げ続ければそりゃー打たれますわ。



この試合のポイントは5回表と7回表の中日の攻撃にありました。

5回は先頭の谷繁が2塁打。次はピッチャーのバルデスですがなんとか1アウト3塁の形を作りたいところです。当然バントですが、ピッチャーの真正面で谷繁は自重して(この判断は正解と思いました)1アウト2塁となりました。

ランナー谷繁でバッターはピッチャーですからこの結果は仕方ない部分もあります。

問題は次の大島です。ボール気味の2球目を簡単にショートフライを打ちあげてくれました。ランナー釘づけです。ここは最悪でも右に引っ張って少なくとも2アウト3塁の形を作り、谷繁の足でもワンヒットで帰れる局面にするべきです。

荒木が凡退したので結果的にあまり関係ないようですが、強いチームはこういうところがきっちりできています。最後ヒットが出る出ないは別にして、とりあえず点が入りそうな形をつくっていきます。



7回表は先頭のエルナンデスがヒットで出塁し、谷繁が送って1アウト2塁。

ここまではきっちり形ができています。次はピッチャーのバルデスなので2アウト2塁で大島勝負と思っていたところ、バルデスに望外なヒットが飛び出し1アウト1塁3塁になりました。こうなれば何が何でも1点は取りたいところです。

次のバッター大島、ボール気味の初球を簡単にショートフライを打ち上げてくれました。ランナー釘づけです。ごく最近どこかで見たフレーズです。早いカウントから打つのは悪くありません。外野フライを打とうとしているのか、ボテボテの内野ゴロで点を取りたいのか(大島の足なら併殺の可能性は少ない)、意図がよく分かりませんでした。次のバッター荒木にヒットを期待するのは虫が良すぎます。点が欲しければ代打小笠原。もしくは荒木のままで得点をあきらめるかです。荒木がヒットを打つこともありますがそれは結果論です。



こういうことをやっていると、そのうち追いつかれると思ったのは私だけではないでしょう。2点差で逃げ切ろうなんて虫が良すぎます。8回に新井良太に1点差に詰め寄られるホームランを浴びたときには、多くの中日ファンがそら言わんこっちゃないと思ったことでしょう。


あとは冒頭の9回裏ですが、バルデスで行くなら最後まで投げさせる。

福谷なら9回頭から福谷と心中覚悟。


バルデスで最後まで行くと思いきや急遽福谷登板、あと一人が取れずに又吉緊急登板。

これだけ方針がブレては投げるピッチャーも動揺してしまいます。

できればこういうゲームは勘弁していただきたいものです。

負けるべくしての負け。

きょうの先発は阪神岩田、中日山井、ともに防御率が3点前後の投手なので、4点取れば勝機あり、2点しか取れなければ苦しくなる、そんな展開になるのではと思っていたらその通りになってしまいました。
きょうの 試合のポイントは4つありました。

まず1回表中日の攻撃、荒木のヒット、平田のタイムリーで1点先制して、なおも1アウト3塁でバッタールナ。ここが最初のポイントでした。ルナはストライクだろうがボールだろうがほとんど初球を打ちません。結局追い込まれてワンバウンドのフォークを空振りしてしまいました。できればこの場面外野フライか、ボテボテの内野ゴロを打ってほしかった。

そして、その裏阪神の攻撃、2番上本がヒットを打って、1アウト1塁でバッター鳥谷。カウント1-1からランナーを走らせ内野ゴロで2アウト2塁の形を作りました。
ここが2つ目のポイントです。この後のバッターにヒットが出るか出ないかは結果論ですが、最近の鳥谷は余り当たってなく、調子のよくないバッターにエンドランのサインを出してやるのは迷いなく振ることができるので良い作戦だと思います。
結局 次のゴメスにタイムリーヒットが出て同点になりました。

この後の鳥谷の2打席目、3打席目、いづれも上本がランナーに出ていましたがすべて走らせ鳥谷に打たせています。
正確にはヒットエンドランか、バッターは見逃しても打っても良いランエンドヒットのサインなのか分かりませんが、4打席目に3塁打が出たこともあり明日の鳥谷要注意かと思います。



3つ目のポイントは6回裏2アウトランナーなしから3点取られてしまいます。野球は2アウトからと昔の人は言いました。 ちょっと前にどこかで似たようなシーンを見た覚えがあります。2アウトからマートンにヒットを打たれたのは仕方ないかもしれません。次の伊藤に対してもヒットを打たれるなとは言えません。
2アウト1塁3塁でバッター8番梅野、次はピッチャーですから、くさいところをついてフォアボールも致し方ないところです。 
やはりピッチャーとはいえバットを持っている以上打つ可能性はゼロではないので真ん中にスライダーを投げてはいけません。完全な失投でしょう。



最後のポイントは8回表ノーアウト1塁2塁でバッター福田の場面。2点差ですから本当はバントで1アウト2塁3塁の形を作りたいところですが、福田にバントはありません。結果、福田三振のエルナンデス併殺で無得点でした。ここは相手投手がよく抑えたというしかないでしょう。


結局、勝負所であと1本が出たチームと出なかったチームが明暗を分けたゲームと言っていいでしょう。明日は阪神岩崎、中日バルデスのともに左ピッチャーが先発です。
できれば早い回に得点を重ねて、バルデスに初勝利をあげさせてやってほしいです。